迷宮遡行 - 貫井徳郎

迷宮遡行 (新潮文庫)

平凡な日常が裂ける―。突然、愛する妻・絢子が失踪した。置き手紙ひとつを残して。理由が分からない。失業中の迫水は、途切れそうな手がかりをたどり、妻の行方を追う。彼の前に立ちふさがる、暴力団組員。妻はどうして、姿を消したのか?いや、そもそも妻は何者だったのか?絡み合う糸が、闇の迷宮をかたちづくる。『烙印』をもとに書き下ろされた、本格ミステリーの最新傑作。

貫井先生にしては珍しいハードボイルド物だった。あまり完成度が高いとは思えなかった。謎の真相については納得できなかった。ふ〜ん、といった感じ。あっ、といわせる仕掛けがなかった。妻が突然現れてRHマイナスがどうとか突拍子もない説明的な会話を始めて、すべての真実を語った後拳銃自殺する、という流れが面白くないというか不自然で現実感がない。哀しみとか厚みを物語に付加しようとしているのかもしれないが大失敗してると思う。
満足度:★☆☆☆☆