真夜中の五分前 five minutes to tomorrow − 本多孝好

真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A 真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B
新作出ていたので買ってしまったよ2冊まとめて。単行本(ハードカバー)でも躊躇しないあたりが金銭感覚の狂いを感じさせます。

著者からのコメント
前作『FINE DAYS』から、一年七ヶ月ぶりの単行本となりました。今回は、長編の恋愛小説です。内容に関しては、著者としてはもう「読んでみてください」と言うしかないのですけど、それでは話が終わってしまうので、一言紹介させていただきます。
 これは恋愛関係でなく恋愛感情を書いたエンターテインメント小説です。
 と言われても、わかりにくいですよね。ええと、いわゆる「純愛もの」を期待されると、少し違った印象を受ける小説だと思います。それを期待されている方には「こういう恋愛小説はどうでしょう?」と挑むつもりで書きました。逆に「純愛って、いや、ちょっと」という方には、「わかる。僕もそうだから。じゃ、これならどう?」と、そう言いたい小説です。
 小説を書くときはいつもそうなのですが、今回もきっちりと構成を組んでから書き始めたわけではありません。これを書いている間、「これは本当にエンターテイメント小説として成立するのだろうか」という迷いを常に抱えていました。原稿用紙にして三百枚を越え、四百枚を越えても物語の終わり方が見えず、「これが小説として成立しなかったら、次に本を出せるのはいったい何年後だろう」と暗澹とすることもしばしばでした。その原稿を自分としては納得のいく物語に仕上げることができて、今はただただほっとしています。今度は、この物語を読んでくれた方々がその中に何を描き上げてくれるのか、著者としてとても楽しみにしています。

本多さんの小説は終わり方がいつも爽やかなのだが、今作は後味悪かった。行間を読み取れなかったのかもしれない。最後に「僕」と彼女の肩にとまった悪魔にウンザリしてしまった。とはいえ、「五分」に込められた意味と感情を読む物語と考えれば素晴らしい小説でした。
満足度:★★★☆☆